八谷:じつは単純な話で「かわいい女の子がでてくる作品が作りたい」って、ずっと言っていたんです。今回、この企画をいただいたときにすでに、ゲームと連動させたいという話があったんですけど、ただ「バトル物になると大変だな」とも思っていて。それで、どうすれば自分の色に染められるかを考えるうちに、これはプレストーリー(前日譚)にできないかな、と思ったんですね。


八谷:つまり彼女たちは――竜族ではあるんだけど、あくまで普通の女の子。決して世界を守るような器じゃないんです。そこから始められないかな、と。妖精のシロップは、この世界に危機が迫っているのを知ってるんだけど、レヴィアタンはその話を聞いても「戦うってどういうこと? こんなに平和な星なのに……」と思ってしまう。そういう危機感のない女の子を、なんとか引っ張り出そうという話なんです(笑)。


八谷:どうでしょうか。彼女たちは出会いはするんだけど、出会ったからといって友達になる必要はない、というか。そのあたりはほかの作品と大きく違うところかもしれないですね。主人公が主人公然としていない、と言えばいいんでしょうか。



八谷:ある意味、女の子のリアルな部分を描ければいいなと思っています。「この子はこういうことをするよね」というのがだんだんわかってくる。そうすると次に、彼女が泣いたり笑ったりするときに「そうだよね」って共感できる。それが「かわいい」ってことなんじゃないかって思うんですよ。あと、少し話はズレるんですが、舞台であるアクアフォールという惑星には、かなりしっかりした設定を考えて作ってあるんです。ゲームとも連動している設定なので詳しくは言えないんですが、そういう壮大な設定をあくまで4人の目を通して描く。かなりいろんな設定を盛り込んであります。



八谷:疲れて帰ってきたときに、ふとテレビをつけて「こんなの、やってるんだ」と。ホッと息をつけるような作品になるといいなと思うんですよね。最終的には「世界を守る!」みたいなところに行くんですけど、そこにたどり着くまでの過程で、「コイツら、バカだけど一所懸命やってるな」って、そうやって元気をもらえるような作品にしたいな、と思いますね。